かなちゃんの本棚
空飛ぶ広報室

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有川浩 幻冬舎 2012年7月1日

感想

仕事柄、人間関係のダイナミズムに興味があるので、この作品は実に興味深い読み物でした。 戦闘機パイロットとテレビディレクターという、一見すると全く異なる世界に生きる二人が出会うという設定だけで、既に物語の可能性が広がっているのが感じられます。実際に読んでみると、その期待を裏切らない展開で、二人の関係性がどのように構築されていくのか、引き込まれてしまいました。 特に印象的だったのは、各キャラクターの職業背景が丁寧に描かれている点です。管理職として働く身として、職場での立場や葛藤がリアルに感じられ、登場人物たちの行動や決断に説得力がありました。また、組織の中での人間関係の複雑さも、単なるロマンスだけに終わらせずに描かれており、大人が読む価値のある構成だと思います。 ただ、個人的には物語の中盤で若干のペース変動を感じた部分もあり、終始安定した加速度で物語が進んでほしかったという思いはあります。それでも全体としては、現代の大人たちの人生観や価値観を考えさせられる、充実した読書体験でした。仕事で疲れた週末に、こういう作品との出会いは貴重です。

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