みいの本棚
ネバーランド

ネバーランド

恩田 陸 集英社 2003年5月1日

感想

話題の青春ミステリーということで、つい手に取ってしまいました。男子校の寮という限定的な舞台設定が、ミステリーとしての緊張感を高めていて素敵です。 年末の年を越す一週間という限られた時間の中で、4人の少年たちの関係性や秘密が少しずつ明かされていく構成が本当に上手い。登場人物たちの心情描写も丁寧で、彼らそれぞれの抱える思いに思わず感情移入してしまいます。 世代が違う私でも、あの頃の友人関係の複雑さや、言葉にできない何かを抱えていた気持ちが蘇ってきました。子どもたちが学生生活を送る親として読むと、改めて思春期の深さというものを感じさせられます。 「奇蹟の一週間」という表現通り、最後には温かさと切なさが絶妙に混在したラストに。ページをめくる手が止まりませんでした。青春小説としても、ミステリーとしても秀逸な一冊。このところ話題本をチェックしていますが、期待を裏切らない傑作です。