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感想

この作品は確かに話題作として注目されていたので、期待を持って手に取った。陸上自衛隊の精鋭たちがソマリアの過酷な環境で極限の状況に置かれるという設定は魅力的だし、著者の筆力も十分に感じられる。しかし読み進むにつれ、いくつか引っかかる点が目立つようになった。 何より、ストーリーの説得力に欠ける部分が多い。なぜこれほど激しく狙われるのか、なぜ救援システムが機能しないのか、といった重要な設定が曖昧なままに感じられた。エンターテインメント性を優先させた結果、その背景にある現実的な根拠が希薄になっているのではないか。 また、キャラクター描写についても物足りなさを感じた。短編集のような構成で、登場人物たちの内面的な葛藤や成長が十分に描かれていない。人間讃歌という帯の謳い文句も、正直なところ過大評価ではないかと思わずにいられない。 確かに娯楽作品として読めば及第点だが、人文・思想書を多く読んできた身としては、もう一段階の深さを期待せずにはいられなかった。その点で評価は控えめにならざるを得ない。

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