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ふつつかな悪女ではございますが12 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜 小冊子付特装版

ふつつかな悪女ではございますが12 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜 小冊子付特装版

中村 颯希 / ゆき 哉 一迅社 2026年3月31日

感想

ライトノベルの人気シリーズということで、手にとってみました。第12巻ということで、既に長く続いているシリーズのようですが、本巻単独での読了は可能です。 率直に申し上げれば、及第点といったところでしょうか。悪役令嬢ものというジャンルの既成概念をうまくいじった展開は悪くありません。登場人物たちのやりとりにも適度なユーモアが感じられ、気軽に読み進められます。特装版の小冊子も用意されており、サービス精神は十分。 ただ、ここまで積み重ねられたストーリーの中で、本巻に大きな起転がみられるか、物語全体を通じて印象的な展開があるかというと、そこは若干物足りません。シリーズの継続という必然性は感じますが、次巻への强い期待感が生まれるほどではない。プロットとしては堅実ですが、人文書を常に読む身としては、仕掛けの緻密さや思想的深さまで求めてしまうのかもしれません。 安定した読み味と言えば褒め言葉ですが、ここまでの長編では、もう一段階の工夫を期待したいところです。