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感想

失恋小説というと、切実な痛みを描いたしんみりとした作品を想像していたのですが、この本はまったく違いました。主人公の暴走ぶりと妄想の奔放さに、何度も思わず笑ってしまいました。 39歳になると、失恋という経験も遠い過去のことになってしまいますが、この作品を読んでいると、あの頃の切実さと馬鹿馬鹿しさが蘇ってくるようです。若き日の痛みを、これほど愛おしく、かつユーモアを交えて描き出せるのは、著者の力量だと感じます。 京都という舞台設定も素敵で、クリスマスの時間の流れの中で、主人公がどう動いていくのか、その軌跡に引き込まれました。ファンタジーノベル大賞受賞作というのも納得です。 これまで手に取るのをためらっていたのですが、読んでみてよかった。大人だからこそ、この物語の味わい深さが理解できるのかもしれません。心に余裕がある時に、ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊です。

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