太陽の塔

太陽の塔

森見 登美彦

出版社:新潮社 出版年月日:2006/06/01

新潮社 | 2006/06/01

4.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

純文学のような文体とでもいったらいいのか? 最初はこの文体に馴染めず読みにくい感じがしたのだけれど 慣れてくるとこの文体だからこそ面白いのかも?と 思えてきたり・・・ 舞台は京都 京大の学生である僕が彼女『水尾さん』にふられた後も その思いを断ち切れず誰が見たってストーカーだろ、それ! っていう水尾さん研究を始める。 男汁をたぎらせジョニーのご機嫌をとるために ビデオ屋に通う。 どこまでが真実かはわからないけれど作者の半自伝的小説 なのだそう。 妄想と現実。。。 ファンタジー大賞とやらをとった作品みたいだ。 この作品のどこがファンタジーなのかはわからないけれど・・・ これといって山があったり谷があったりする作品でもないのだけれど もてない君達の妄想と行動にプッと笑えたり、あー、なんかいいな こういう友達がいて! と思えたり。 途中からはすっかりこの人の世界観というかワールドに はまりこんでしまった。 とにかく京都の通りや場所がたくさん出てくるので あの界隈の事をご存知の方にはそう言った意味でも楽しいと思う。 東大路通り、叡山電鉄、北白川別当の交差点、御影通り... うんうん、北白川のケンタッキーねぇ。 高野交差点のドーナツ屋、 ははーーん、パチンコ屋!!! あるある!!あそこにあるよ!! って感じで(笑)

感想

失恋小説というと、切実な痛みを描いたしんみりとした作品を想像していたのですが、この本はまったく違いました。主人公の暴走ぶりと妄想の奔放さに、何度も思わず笑ってしまいました。 39歳になると、失恋という経験も遠い過去のことになってしまいますが、この作品を読んでいると、あの頃の切実さと馬鹿馬鹿しさが蘇ってくるようです。若き日の痛みを、これほど愛おしく、かつユーモアを交えて描き出せるのは、著者の力量だと感じます。 京都という舞台設定も素敵で、クリスマスの時間の流れの中で、主人公がどう動いていくのか、その軌跡に引き込まれました。ファンタジーノベル大賞受賞作というのも納得です。 これまで手に取るのをためらっていたのですが、読んでみてよかった。大人だからこそ、この物語の味わい深さが理解できるのかもしれません。心に余裕がある時に、ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊です。

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