莉子の本棚
感想

図書館の新着棚で見かけて、タイトルの響きに惹かれて手に取りました。阪急電車という限定的な舞台で、様々な人生が交錯する話だと聞いていたので、どのような物語が展開するのか興味深かったのです。 読んでみると、確かに十五分という短い乗車時間の中で、複数の登場人物の思いや背景が丁寧に描かれていました。電車という移動空間を通じて人間関係や人生を見つめる視点は、なかなか興味深いものです。 ただ、正直なところ、特に心に残る場面や深く考えさせられる瞬間が少なかったように感じます。一つ一つのエピソードは上品にまとまっていますが、全体として「これが読みたかった」という満足感には至りませんでした。ボランティアの活動で様々な人間関係を見てきた身としては、もう少し人間の機微や葛藤が掘り下げられていると良かったと思います。 悪い本ではないのですが、わざわざ人に勧めたいほどの感動もなく、可もなく不可もなく、という印象が正直な感想です。

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