阪急電車

阪急電車

有川浩

出版社:幻冬舎 出版年月日:2008/01/01

幻冬舎 | 2008/01/01

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

阪急電車はエンジ色の車体にレトロな内装が個性的な車両を各沿線に 走らせている。そしてこの物語はそんな阪急電車各線の中でも知名度 が低いであろう今津線を主人公とした物語だ。 宝塚から西宮北口まで沿線上ですれ違ったり、ふれあったりする人々の 小さな物語が連作短編のような形で進行していくこのお話にすっかり 引き込まれてしまった 図書館でいつも出会う気になる女性と偶然乗り合わせた征志 結婚直前の彼氏を後輩に寝取られた翔子 孫娘と電車を利用している時江は機転が利いて凛としているおばあちゃん 自分勝手な暴力彼氏に振り回されるミサ 年上のオバカだけど優しい彼氏のいる女子高生のえっちゃん 軍オタの圭一とごんちゃんの背伸びをしない恋愛 価値観の違う主婦友とのつきあいに疲れているおばさんの康江 一駅ごとに彼ら、彼女らのお話が紡がれていく 登場人物たちのこれからや、恋愛の行方 本を読み終わった後もこれからも物語りは続いて行っている様な 感覚になり妄想好きはいろいろと妄想を広げていけそうな、そんな小説だった 有川浩ですからやっぱりベタ甘要素ははずせなくところどころに うひょっ、うひょひょっ、とトキメキ乙女心を刺激する場面もあり 車中でかけられたちょっとした一言やちょっとした出来事が 縁で恋が始まったり、恋愛を終わりにしたり、生き方を変えたり・・・ 言葉っていうのは言ったほうは何気なくでも言われた方の 感じ方や捉え方によって力を持つものなのだなぁと改めて思った。

感想

図書館の新着棚で見かけて、タイトルの響きに惹かれて手に取りました。阪急電車という限定的な舞台で、様々な人生が交錯する話だと聞いていたので、どのような物語が展開するのか興味深かったのです。 読んでみると、確かに十五分という短い乗車時間の中で、複数の登場人物の思いや背景が丁寧に描かれていました。電車という移動空間を通じて人間関係や人生を見つめる視点は、なかなか興味深いものです。 ただ、正直なところ、特に心に残る場面や深く考えさせられる瞬間が少なかったように感じます。一つ一つのエピソードは上品にまとまっていますが、全体として「これが読みたかった」という満足感には至りませんでした。ボランティアの活動で様々な人間関係を見てきた身としては、もう少し人間の機微や葛藤が掘り下げられていると良かったと思います。 悪い本ではないのですが、わざわざ人に勧めたいほどの感動もなく、可もなく不可もなく、という印象が正直な感想です。

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