読書三昧の本棚
質屋藤十郎隠御用【二】からくり箱

質屋藤十郎隠御用【二】からくり箱

小杉 健治 コスミック出版 2026年3月12日

感想

コスミック時代文庫の新刊として話題になっていたので、手に取ってみました。質屋藤十郎シリーズの続編ということで期待していたのですが、正直なところ少し物足りなさを感じてしまいました。 からくり箱という題材自体は興味深く、江戸時代の謎解きの要素があるのかと思っていたのです。ところが、物語の展開が予測しやすく、登場人物の掘り下げも前作ほど深くないように感じられました。特にストーリーの中盤から終盤にかけて、何度も同じパターンの場面が繰り返されているような印象を受けてしまい、読み進める動機付けが弱まってしまったのが残念です。 シリーズものは読み手との信頼関係が大事だと思うのですが、この巻ではその魅力が十分に発揮されていないように感じました。自営業で忙しい毎日の中での限られた読書時間ですから、やはり一冊一冊が充実していてこそ。もう少し物語に緊張感や意外性があれば、シリーズを続けて読もうという気になったと思います。