質屋藤十郎隠御用【二】からくり箱

質屋藤十郎隠御用【二】からくり箱

小杉 健治

出版社:コスミック出版 出版年月日:2026/03/12

コスミック出版 | 2026/03/12

3.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

コスミック時代文庫の新刊として話題になっていたので、手に取ってみました。質屋藤十郎シリーズの続編ということで期待していたのですが、正直なところ少し物足りなさを感じてしまいました。 からくり箱という題材自体は興味深く、江戸時代の謎解きの要素があるのかと思っていたのです。ところが、物語の展開が予測しやすく、登場人物の掘り下げも前作ほど深くないように感じられました。特にストーリーの中盤から終盤にかけて、何度も同じパターンの場面が繰り返されているような印象を受けてしまい、読み進める動機付けが弱まってしまったのが残念です。 シリーズものは読み手との信頼関係が大事だと思うのですが、この巻ではその魅力が十分に発揮されていないように感じました。自営業で忙しい毎日の中での限られた読書時間ですから、やはり一冊一冊が充実していてこそ。もう少し物語に緊張感や意外性があれば、シリーズを続けて読もうという気になったと思います。

感想

時代小説のシリーズ作品ということで手に取ってみたのですが、想像以上の面白さでした。質屋藤十郎を主人公とした物語、特にこの「からくり箱」は、江戸の世界観がしっかり構築されていながらも、読みやすさを失わない絶妙なバランスが素晴らしい。 登場人物たちの人間関係や会話が生き生きしていて、ページをめくる手が止まりませんでした。謎解きの部分も無理のない自然さで、読んでいて引っかかる感じがありません。公務員という立場で仕事の合間に気軽に読むのに最適な、適度なボリュームと読了感の良さです。 シリーズ物とのことですが、この巻だけでも十分に楽しめる完成度の高さがありますね。江戸情緒に触れたい時、でも難しすぎない作品を探している時には、本当におすすめできる一冊です。次のシリーズ作も早速読みたくなってしまいました。

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