読書三昧の本棚
桜風堂ものがたり

桜風堂ものがたり

村山早紀 PHP研究所 2016年9月20日

感想

書店を舞台にした話題作ということで、つい手に取ってしまいました。本への向き合い方や人間関係の温かさが描かれているという評判だったので、期待して読み始めたんですです。 実際に読んでみると、主人公の人生の転機から新しい環境での出会いまで、丁寧に描かれています。挫折から始まるストーリーは共感できる部分も多く、自営業で人間関係の難しさを感じている身としては、登場人物たちのやり取りに心がほっこりすることもありました。 ただ、正直なところ、物語としてはやや予測の範囲内で進んでいくような印象は否めません。感動的に仕上がっているのは確かですが、新しい発見や意外性があまりなく、「確かに良い話だけど……」という気持ちが残ってしまいました。 書店という素材の良さと、人情深いストーリー運びは魅力的です。読んで後味の悪いことはありませんし、穏やかな時間を過ごしたい時にはぴったり。ただ、話題の本とはいえ、特に強く誰かに勧めたいほどの感動までには至らなかったのが正直なところです。さらりと読める良書、といったところでしょうか。

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