橋本 美月の本棚
感想

最近、書店の目立つところに積み重ねられていたこの本。タイトルが「ひと」という素朴さに惹かれて、手に取ってみました。 読み始めてすぐに、主人公の二十歳という若さと、親を失った喪失感が胸に迫ってきます。人生が真っ暗に見える時期に、コロッケを一個譲ったというエピソード。その何でもなさのような出来事が、いかに大切なのかということが、読み進むにつれてじんわり伝わってきます。 年を重ねると、生きていく中で人付き合いの大切さや、小さな優しさがどれほど大事かが分かってくるものです。この作品は、そういった気づきを自然に、そして深く与えてくれました。登場人物たちの関係性が丁寧に描かれていて、私たちが誰かの「ひと」として存在することの意味が伝わってきます。 話題になるのも納得できる、温かみのある一冊です。パート勤務の日常の中で、人生について改めて考える時間をくれました。ぜひ多くの人に読んでほしいと思います。

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