近藤の本棚
感想

ゴーゴリの『死せる魂』中巻を読み終わって、この作品の奥深さに改めて驚いています。 仕事でコードを読むときと同じように、文章の行間を注意深く追っていく必要がある小説です。一見すると19世紀ロシアの風俗描写や人物評が延々と続くように見えますが、そこに込められた風刺と人間洞察の精密さに引き込まれました。 主人公チチコフの奇想天外な企てが物語を牽引しながら、登場人物たちの虚栄心や欺瞞が浮かび上がっていく構成は実に巧妙です。特に中巻では、社会の権力構造と個人の欲望がどう絡み合うのかが丹念に描かれており、時代を超えた人間の本質を見つめる視点に惹きつけられました。 岩波文庫の訳も読みやすく、注釈が充実しているので、ロシア文学に不慣れな読者でも物語世界へ入り込みやすいです。慎重に作品を選ぶ私としては、事前のレビューと評判を確認してから手に取りましたが、期待を大きく上回る傑作でした。古典だからこそ味わえる深さを感じています。

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