桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ

朝井 リョウ

出版社:集英社 出版年月日:2012/04/01

集英社 | 2012/04/01

3.75
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

映画化されたときにちょっと話題になっていた作品だったので、この機会に読んでみました。 正直なところ、高校生の群像劇というと若干敬遠してしまう部分もあったのですが、読み始めると一気に引き込まれました。バレー部キャプテンの突然の退部という小さなきっかけが、それぞれの登場人物の人間関係や価値観にどのように波紋を広げていくのか—その連鎖の描き方が本当に丁寧で、緻密です。 エンジニアとして仕事をしていると、複雑なシステムの相互作用を追うことが多いのですが、この小説の構成はそれに近い面白さがあります。各章で異なる視点から同じ時間軸を描き直していく手法は、最初は戸惑うかもしれませんが、読み進むにつれてパズルが組み上がっていくような快感があります。 登場人物たちが必ずしも「いい子」ばかりではないというのも好感を持ちました。現実の人間関係はそんなものですから。短編のような各部分も独立した完成度があり、文庫本として手軽に読めるのも良いですね。少し古い作品ですが、青春小説の名作として十分な価値があると感じます。

感想

映画化で話題になってたから読んでみたんですけど、正直期待値が高すぎたのかな。桐島の退部という単純なイベントから始まる連鎖反応を描いた群像劇ってコンセプトは悪くないんですよ。5人の視点から同じ事象を見つめるっていう構成も工夫されてるなって感じます。 ただ、読み進めると各キャラの掘り下げが浅く感じちゃって。もっと内面的な葛藤とか心情の変化を丁寧に追ってほしかったんですけど、イベントを淡々と進めてるような印象で。あと正直なとこ、高校生のリアルな心理描写としてはちょっと古い感じもしました。 文章自体は読みやすくて、一気読みはできるんですよ。ただ読み終わった後に「うーん」ってモヤっと残る感じで。青春小説として心に残るような深さや余韻があれば良かったんですけど。映画版の方が映像化に向いてたのかもしれませんね。軽く読むにはいいかもしれませんが、期待して手に取るとちょっと肩透かしかも。

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