眠れる森の悪魔 3 禁忌×事業
オーバーラップ | 2026/02/25
みんなの感想
シリーズ3巻目ということで、これまでの展開を踏まえて慎重に手に取りました。結論として、期待以上の仕上がりです。 本作の魅力は、ファンタジーの枠組みながら現実的なビジネス展開を丁寧に描いている点。前世の知識を活かしたスパサロン事業という設定は、一見するとありがちですが、その影響力や倫理的な葛藤まで掘り下げる作りに好感を持ちました。エンジニアとして、論理的に構築されたプロジェクトの進行を追う快感があります。 ただし、気になる点もあります。事業展開と戦争というふたつの大きな要素が同時進行するため、話の収束がどうなるのか懸念がありました。細部までレビューで確認してから次巻へ進みたいというのが、正直なところです。 それでも登場人物たちの動機が明確で、ストーリーに一貫性があるのは評価できます。ファンタジー好きにはもちろん、戦略的な展開を楽しむ読者にもお勧めできる一冊。次巻も購入検討中です。
このシリーズもなかなか面白いもんだ。三巻目という事で、登場人物たちの関係性もぐっと深まってきた感じがする。 主人公シェリエルが美容事業を展開していく様は、前世の知識をうまく活用した現代的なアイデアで、自営業をやってきた身としては思わず頷いてしまう場面が多い。事業が上手くいくと次々と新しい問題が生じるもの。その辺りのリアルな描写がいいね。 ただ、中盤以降に登場する隣国との戦争という要素は、これまでの事業中心の流れから大きく転換する重要な岐路なんだろう。シェリエルが前世の記憶で知っていた歴史と、今の世界での事の運び方が異なっているという設定は、なかなか興味深い。この先どう展開するのか、つい先が気になってしまう仕掛けだ。 ファンタジーとしての魔導具の描写も細かくて、想像力をかき立てられる。四巻目がどうなるか、続きが読みたくなる一冊だった。
シリーズの3巻ということで、これまでのストーリーの延長線上で読み進めました。主人公シェリエルが事業展開へと動く過程や、異世界ファンタジーの枠組みの中で現代的なビジネス知識を活かしていく設定は面白い。スパサロンのお披露目シーンなど、そうした部分の描写には工夫が感じられます。 ただ、正直なところ、この巻を通して大きな驚きや引き込まれる要素が少なく感じました。事業話と戦争の予兆という複数の筋が並行して進むものの、どちらも中途半端な印象で、物語として一つの盛り上がりに欠けているように思います。学校の教科書採択で複数の書籍を比較する時の感覚に近いでしょうか——「まあ悪くないな」という評価で、心が躍るほどではない、という感じです。 キャラクターたちの関係性や世界観そのものは好きなので、次巻への期待は持ちつつも、このボリュームの中では「続きが気になる」というところまでは至りませんでした。シリーズ継続予定なら、次はもう一段階、エンジンをかけてくれると期待しています。