近藤の本棚
終活の落とし穴

終活の落とし穴

西川 満則 / 福村雄一 / 大城京子 / 小島秀樹 日経BP 日本経済新聞出版 2025年1月14日

感想

親の介護と相続について漠然とした不安を抱えていたところ、このシンシャを目にして手に取りました。エンジニアとして複雑なシステムに向き合うことが多いので、終活という「人生のシステム」にも論理的にアプローチしたいと考えていたんです。 本書の最大の強みは、一般的な終活本では触れられないような「落とし穴」に焦点を当てていることです。認知症時の銀行口座凍結、相続で見落とされる負債、医療判断での親子間の権限不在など、具体的かつ現実的な問題ばかり。知識があるだけでは対応できない領域に気付かされました。 特に相続と医療判断の章は秀逸で、親世代への提案の仕方まで示唆されていて実用的です。エンジニア的な視点で言えば、「事前の設計が後々の負担を大きく減らす」というプリンシプルが徹底されている。 唯一、それぞれの落とし穴への具体的な対策がもう少し詳しければ、さらに手引書としての完成度が高まったと感じますが、問題提起の観点からは文句なしです。自分たちの世代が次の世代へ負担を残さないためにも、必読の一冊だと思いました。