近藤の本棚
感想

歴史的重要性は理解しているのですが、正直なところ読了後の感情的な満足度と実際の内容のギャップに戸惑いました。 エンジニアとして論理的に考える習慣がついているせいか、著者の哲学的な議論の進め方に少々もどかしさを感じてしまいました。人間の本質について深く問いかけてくる作品ではあるのですが、その「深さ」が時に観念的で、読み手に一定の思考体系を強いているように感じられます。 また、新版として改訂されているにもかかわらず、現代の読者にとってアプローチしやすい構成になっているかといえば、疑問が残ります。難しい概念が次々と登場するにもかかわらず、十分な説明や具体例が不足していると感じました。 極限状況での人間の尊厳について考える価値はあるのですが、この作品でなければならない理由を見出すのが難しいというのが、率直な感想です。推奨されることの多い名著ですが、万人向けではない可能性を事前に知っておくことをお勧めします。