近藤の本棚
感想

復讐という重い題材を扱いながらも、物語として完成度が高く、一気読みしてしまいました。エンジニアとして論理的に考える習慣があるので、最初は「感情的な復讐譚」として敬遠していたのですが、読み進めるうちにこの作品がいかに綿密に構成されているかに気づかされました。 親として娘を失った父親の行動、そして少年犯罪という社会的な問題が複雑に絡み合う中で、著者は読者に問い続けます。復讐は正義なのか、愛する者の死にどう向き合うべきなのか。簡単に答えの出ない問いを、物語として成立させる力は相当なものです。 警察小説的な面白さもありながら、心理描写の深さも兼ね備えており、知的興奮と感情的な揺さぶりの両方を感じることができました。慎重に本を選ぶ私ですが、これはビジネス書の休息として「確実に価値のある一冊」として推奨できます。読後は、娘の死と父親の選択について、しばらく考え続けることになるでしょう。

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