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アラビアン・ナイト(3)

アラビアン・ナイト(3)

前嶋信次 平凡社 1988年12月1日

感想

長年の読書経験の中でも、こんなに夢中になって続きを追ったのは久しぶりです。『アラビアン・ナイト』第3巻、ようやく手に入れて徹夜してしまいました。 序盤からの登場人物たちが絡み合い、物語が深く層状になっていく快感。管理職という職業上、論理的な思考癖がついていますが、この作品はそんな日常を忘れさせてくれます。シェヘラザードの語り部としての力量、そして次々と現れる個性的なキャラクターたちの人間ドラマ。単なる冒険譚ではなく、人間関係の複雑さや運命の不思議さが丁寧に描かれているんですね。 平凡社の文庫版は装丁も美しく、手に取る喜びもあります。翻訳の質感も素晴らしい。仕事で疲れた夜、これを開くと異世界へ自然と引き込まれます。文学性とエンターテインメント性のバランスが絶妙で、50を過ぎた今だからこそ味わえる深さがあるように感じました。第4巻が待ち遠しい。気軽に読める面白さの中に、しっかりとした文学的価値がある傑作です。

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