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感想

『BLEACH』のスピンオフ小説化とのことで、手に取ってみた。成田良悟による新解釈がどう機能するのか興味深かったというのが正直なところだ。 学園生活という日常的な舞台設定の中に、原作特有の非日常性をどう組み込むかという試みは評価できる。キャラクターたちが新しい文脈で再構成される過程は、ファンにとっても新鮮だろう。ただし、そこに深い物語的意図や、小説という媒体ならではの表現の工夫が感じられたかといえば、やや物足りない。 エイプリルフール企画のネタ的性質を引き継ぎつつ、それを小説化するにあたっての独自の価値観が希薄に思えた。つまり、ファンサービスとしての完成度は悪くないが、一つの作品として自立しているかという点では疑問が残る。 フリーランスとして何冊も新書や思想書を読む中で、この種のメディア展開作品に何を求めるかは難しい問題だ。純粋に遊びの精神で楽しむなら十分だが、作品として何か本質的な問いかけを持つものを求める読者には、やや物足りないだろう。可もなく不可もなく、というところに落ち着く一冊である。

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