fujiの本棚
感想

第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』のスピンオフということで、期待半分の気持ちで手に取りました。率直に言うと、その期待を大きく上回る傑作でした。 本編では語り尽くされなかった三つの物語が、これほどまでに深い余韻を残すとは。特に「星を編む」の編集者たちの奮闘の姿には、自分自身の管理職経験と重なる部分が多々ありました。才能を引き出し、育成し、時には厳しく導く——その営みの尊さがしみじみと伝わってきます。 各エピソードが本編とじっくり結びついていく構成も見事。登場人物たちの人生が星のように輝き、時に交わり、時に遠く離れていく。その儚さと美しさのバランスが絶妙です。文庫本という手軽なフォーマットながら、読み終わった後の満足感は相当なもの。 話題作の続編としての役割を果たしつつ、完全に独立した物語としても成立しているところが素晴らしい。本編未読の方にもお薦めできますし、本編を愛読した方ならなおさら。現代日本文学を代表する一冊だと確信しています。

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