メグ♪の本棚
階段途中のビッグ・ノイズ

階段途中のビッグ・ノイズ

越谷オサム 幻冬舎 2006年10月1日

感想

憧れの軽音楽部のある高校に入った神山啓人 しかし、そこは昔の栄光はどこに?の寂れて腐りきった部。 部員は3人。二人の上級生は楽器を弾けないばかりか練習もせずに 屋上で煙草をふかしている毎日。その後、この二人の先輩が 大麻事件を起こして逮捕され退学。たった一人残った啓人は校長から 廃部の通達を受ける。一人階段途中に設けられた軽音部のスペース略して 部段の片付けと掃除をする啓人。 そこへ現れたのは啓人の同級生、伸太郎。 伸太郎もまた軽音楽部に夢を持ちこの学校へ入学してきたのだが あまりの夢と現実の落差に入部2週間で幽霊部員となった一人だったのだ。 皆がやめていく中で一人部段で先輩たちの見張りをさせられながらも 練習をしてきた啓人。 伸太郎は吼える 「おかしいよ。全然やる気ゼロのあいつらがどうなろうと知ったこっちゃ ないけど、なんで真面目にやってたお前がワリ食うんだよ!!」と。 いいよ!いい!! 伸太郎。 その通り。 正義感ではちきれんばかりの君がまぶしいよ! 校長から条件付で軽音楽部の存続をひとまず認められた啓人と伸太郎。 まずはメンバー集め、そして顧問探し。と軽音楽部の再スタート。 軽音楽部をシンクロに変えればウォーターボーイズだし、吹奏楽に変えれば スイングガールズになりそうな本当によくある展開の話なのだけれど 高校生たちの明るくてまぶしいばかりの青春がそこにある。 青春中毒症の私にはど真ん中の小説だった。 とにかく登場人物のキャラが非常に魅力的だ。 途中から加わる天才肌で女にモテモテのギター担当勇作や おおらかで誰もが和んでしまうような徹。 そして生徒からも馬鹿にされているような冴えない国語教師「カトセン」こと 加藤先生。「若さを武器に勝負できるのはせいぜい10代のうちだから、少々不躾でも やりたいことをやるといいよ。」存在感がまるでない加藤先生が実は実はな展開も よくある話といわれればそれまでなのだが、読んでいて気持ちよいのだから それでいいのだ。 すっとぼけた感のある校長先生や、ルールが全てで、何かと軽音楽部を 目の敵にする森先生。 自分たちの外の敵と戦い、自分たちの中でも揉めながら 少しずつ前へ進んでいく彼ら。 啓人の「もう、俺一人じゃないんだ」の言葉には涙があふれそうになった。 1年間階段途中で一人頑張ってきた啓人に仲間が出来た。 ひたむきな高校生たちの頑張りが妙に爽やかで温かい。 ああ、面白かった。 満足。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ