みんなの感想
憧れの軽音楽部のある高校に入った神山啓人 しかし、そこは昔の栄光はどこに?の寂れて腐りきった部。 部員は3人。二人の上級生は楽器を弾けないばかりか練習もせずに 屋上で煙草をふかしている毎日。その後、この二人の先輩が 大麻事件を起こして逮捕され退学。たった一人残った啓人は校長から 廃部の通達を受ける。一人階段途中に設けられた軽音部のスペース略して 部段の片付けと掃除をする啓人。 そこへ現れたのは啓人の同級生、伸太郎。 伸太郎もまた軽音楽部に夢を持ちこの学校へ入学してきたのだが あまりの夢と現実の落差に入部2週間で幽霊部員となった一人だったのだ。 皆がやめていく中で一人部段で先輩たちの見張りをさせられながらも 練習をしてきた啓人。 伸太郎は吼える 「おかしいよ。全然やる気ゼロのあいつらがどうなろうと知ったこっちゃ ないけど、なんで真面目にやってたお前がワリ食うんだよ!!」と。 いいよ!いい!! 伸太郎。 その通り。 正義感ではちきれんばかりの君がまぶしいよ! 校長から条件付で軽音楽部の存続をひとまず認められた啓人と伸太郎。 まずはメンバー集め、そして顧問探し。と軽音楽部の再スタート。 軽音楽部をシンクロに変えればウォーターボーイズだし、吹奏楽に変えれば スイングガールズになりそうな本当によくある展開の話なのだけれど 高校生たちの明るくてまぶしいばかりの青春がそこにある。 青春中毒症の私にはど真ん中の小説だった。 とにかく登場人物のキャラが非常に魅力的だ。 途中から加わる天才肌で女にモテモテのギター担当勇作や おおらかで誰もが和んでしまうような徹。 そして生徒からも馬鹿にされているような冴えない国語教師「カトセン」こと 加藤先生。「若さを武器に勝負できるのはせいぜい10代のうちだから、少々不躾でも やりたいことをやるといいよ。」存在感がまるでない加藤先生が実は実はな展開も よくある話といわれればそれまでなのだが、読んでいて気持ちよいのだから それでいいのだ。 すっとぼけた感のある校長先生や、ルールが全てで、何かと軽音楽部を 目の敵にする森先生。 自分たちの外の敵と戦い、自分たちの中でも揉めながら 少しずつ前へ進んでいく彼ら。 啓人の「もう、俺一人じゃないんだ」の言葉には涙があふれそうになった。 1年間階段途中で一人頑張ってきた啓人に仲間が出来た。 ひたむきな高校生たちの頑張りが妙に爽やかで温かい。 ああ、面白かった。 満足。
最近登録された他の本の感想
2026年10月05日
北京という都市をこれほど生き生きと描いた作品は、なかなかお目にかかれない。この本の魅力は、単なる海外生活の記録ではなく、主人公の菖蒲というキャラクターの「人生をエンジョイする力」にあると思う。 コロナ禍という厳しい状況の中での赴任という設定は、実は現代的だ。多くの駐在員が直面した課題を、この作品は颯爽と乗り越えてしまう。隔離期間や言語の壁、文化の違いといった障害すら、楽しみに変えてしまう主人公の姿勢は、正直に言って爽快感がある。特に食べ歩きのシーンは、高級レストランからローカルな屋台まで、北京の食文化が本当に伝わってくる。 著者の観察眼も秀逸だ。北京の交通事情の描写や、そこで出会う人々の生態について、ユーモアを交えながら描かれている。これは単なる紀行文ではなく、一個の人間が異文化とどう向き合うかという普遍的なテーマが隠されている。 会社員として仕事のストレスを抱える身からすると、この本が示す「やり様次第で人生は変わる」というメッセージは、非常に刺激的だった。まさに一気読みの傑作だ。
2026年10月05日
直木賞受賞作ということで、期待値が高めだったのですが、その期待を見事に超えてくれました。正直、最初は歴史小説ということで少し堅苦しいかなと感じていたんですけど、全然そんなことなかった。 大正から昭和を生きた女給たちの人生が、これほど生き生きと描かれているのに驚きました。タイ子、セイ、美登里、園子——個性の強い女性たちがカフェーという舞台で織りなす日常の中に、人間らしい温かさと複雑さが詰まっている。彼女たちの笑いあり涙ありの日常を追っていると、百年も前の話とは思えないほど親近感が湧いてきます。 時代が移ろいでいく中で、懸命に生きる姿勢が本当に愛おしい。著者のまなざしが優しいというか、どのキャラクターも否定せず描いているところが好きです。読んでいて心がじんわり温かくなるような感覚があるんですよね。 ただ、構成によっては時間軸がやや複雑に感じられる場面もあったので、その辺りで若干の引っかかりはありました。でも全体としては、読んでよかった、大切なものを思い出させてくれる一冊です。
2026年10月05日
最近、書店で話題になっているこの本を手に取ってみました。世界中で100万部を超えているというから、どんなに素敵な言葉が詰まっているのだろうと期待していたんです。 装丁は確かに素敵で、フルカラーのイラストがたっぷり使われていて、眺めているだけでも心が穏やかになります。登場人物たちのセリフや心に残る場面がまとめられているのですが、読んでいると懐かしい感覚に包まれました。 ただ、正直に言うと、特別に心がときめくような発見があったわけではないんです。既に小説で読んでいた方なら、改めてその魅力を確認できる一冊になるでしょう。でも、私のように初めて手にする人からすると、断片的な言葉だけでは、登場人物たちとの関係性や物語の深さが十分に伝わってこない気がします。 初版特典のしあわせカードは可愛らしいですし、コーヒーを飲みながらぱらぱらめくるには心地よい本です。ただ、これ一冊で人生がきらめく魔法を感じるには、やはり元の小説を読んだ方が良さそうだと感じました。
2026年10月05日
新社会人になって、仕事のプレッシャーで疲れていた時期にこの本に出会いました。「満月珈琲店の星詠み」は前から気になっていたんですが、この特装版は名言と名場面をフルカラーイラストで楽しめるという点に惹かれて手に取りました。 実際に読んでみると、仕事で迷ったり、判断に迷ったりする場面で心に響く言葉がたくさんありますね。派手な自己啓発ではなく、日常の中で静かに力をくれるような優しさが特徴だと感じます。桜田千尋のイラストとの相乗効果で、ただ言葉を読むだけじゃなく、視覚的な癒しも得られるのは大きなポイント。 ただ、既にシリーズを読んでいる人にとっては、ある程度重複する内容もあるかなという印象。むしろ、シリーズ初心者や、短編的に気軽に読みたい人向けかもしれません。でも新社会人の今の私にとっては、忙しい合間に開いて、その日の気分に合った言葉を探すという使い方ができるのが良いです。付属のカードもちょっとした癒しになってます。
2026年10月04日
田村ニ吉 雲英光男 記憶を植え付ける能力がある 岡崎徳三郎 北川京子 話し方教室講師 警告! 自分の記憶は数十分しかもたない。思い出せるのは事故があった時には自分の筆跡でいろいろ書いてある。殺人鬼と戦っていると。 雲英は自分を駅で押した男に復讐でホームから蹴り落とした。逃げた喫茶店で変な男とあう。能力がうまく作動していない。変な男がニ吉。ニ吉は健忘症なのに雲英がずっと店にいたことだけは覚えている。違和感。 ニ吉は雲英の痴漢を目撃。雲英は能力で犯人をでっち上げ。一部始終を見ていてなぜ雲英を捕まえた男が加害者になったのか疑問を抱く。 マンションでトラブル、男性が階段から転落死。雲英の犯行。記憶が改竄される。 京子とニ吉のもとに染谷と名乗る記者。偽名の雲英。雲英は近づいてきてる。ニ吉は殺人鬼と戦っている。 雲英に対応するためカメラを準備。雲英の顔を撮影。 健忘症のニ吉に雲英の能力は効かない。 雲英と話しているときに若者と肩がぶつかりトラブル。なんとかしようとする。若者古田隆一の別荘で示談しようという流れ。別荘につき雲英に買い出しを頼まれる。不審に思いニ吉は近くの人らと戻ると雲英は古田を殺害しようとしていた。古田は一命を取りとめた。 古田を使い、雲英の犯行を隠しカメラで撮影する計画を練る。 古田を使うも雲英に気づかれ、 詰め寄られる。病気に、気づかれる。 雲英を撮影したメディアをもって逃げるも、追いつかれ、ナイフで刺される。メディアを壊される。しかし全て計画のうち、北川が映像をアップロード。雲英にナイフで刺されるも徳三郎が助けにくる。雲英を取り押さえる。計画は徳三郎と一緒に考えた。自身の病気すらも計算にいれた。雲英は自身の記憶を改竄し善良な人間になった?雲英は捕まる。 ニ吉の病気は治らず、妻と名乗る女性が現れる。 他の作品と繋がってるらしい。
2026年10月04日
ベネチア映画祭出品というニュースで手に取った一冊です。戦争という重いテーマを扱う作品なだけに、慎重に読み進めました。 著者がベトナム帰還兵として、子どもたちに向けて「ほんとうの言葉」で戦争体験を語るというコンセプトは興味深いものです。貧困と人種差別から脱出するため入隊し、やがて戦地へ赴く流れ、そこで人間がどう変容していくのかという視点は、確かに重要な問題提起だと感じました。 ただ、正直なところ読み終わって「普通だな」というのが率直な感想です。戦争の非人道性や無意味さについては理解できますし、その訴求力も感じます。しかし、個人的には、もっと深い心理描写や具体的な葛藤の描き方があれば、より心に響いたように思います。 映画化という後押しもあり、これは多くの人の目に触れる作品になるのでしょう。重要なテーマを扱う作品として価値はありますが、読み手によって評価が大きく分かれそうな一冊だと思いました。
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