みつこの本棚
感想

早川書房の新書ということで、どのような視点から人生を問い直す作品かと期待して手に取りました。 著者の独特な思考の運び方は興味深く、随所に考えさせられる問い掛けがあります。ボランティアの現場でも「どう生きるか」という問題は常に存在していますので、そうした観点からも共感できる部分がありました。ただし、全体的には議論が散漫な印象を拭えません。核となるテーマがやや曖昧で、結論へ至る道筋が必ずしも明快ではなかったように感じます。 新書という限られた紙幅での表現の工夫は認められますが、もう少し一つのテーマを深掘りしてもよかったのではないかと思われます。知的刺激を求める読者には物足りなく感じるかもしれません。 決して悪い本ではありませんが、これまで読んできた評判の高い人文書と比べると、どうしても印象が薄くなってしまいます。他の著作と合わせて読むと、より理解が深まるのかもしれませんね。