みつこの本棚
うしろの正面だあれ

うしろの正面だあれ

海老名香葉子 / 千葉督太郎 金の星社 1990年11月1日

感想

昔ながらの下町の路地で遊ぶ子どもたちの声、晩ごはんのにおい—こうした情景描写から始まるこの本は、読んでいて自分の少女時代の思い出がよみがえってきました。戦前・戦中という時代背景がありながらも、家族の絆と地域の人情に支えられた子ども時代の輝きが、とても丁寧に描かれています。 かよ子という主人公が、戦争という悲しみの中でも心に輝きを保ち続ける姿は、現代を生きる私たちにも大切な教えをくれます。何度か読み返すたびに、異なる視点で新しい発見があるのも魅力です。新書というコンパクトな形式ながら、深い人間ドラマが凝縮されており、よくまとめられていると感心しました。 孫や地域の子どもたちにも薦めたい一冊です。小学校高学年から中学生向けとありますが、大人が読んでも十分に心に響くものがあります。懐かしさと人情、そして希望の光が感じられる素敵な作品だと思います。

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