知覚の現象学(1)

知覚の現象学(1)

モリス・メルロー・ポンティ / 竹内芳郎

出版社:みすず書房 出版年月日:1980/07/01

みすず書房 | 1980/07/01

5.00
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

メルロ=ポンティの大著に、ようやく向き合う時間をつくることができました。難解な哲学書に定評があるとは聞いていましたが、実際に手にしてみると、その深さに圧倒されます。 この本が素晴らしいのは、私たちが日々経験している「ものを見る」という最も基本的な行為を、ここまで徹底的に問い直してくれるところです。感覚や知覚という、つい見過ごしてしまう領域に光を当て、それが私たちの世界理解にいかに本質的であるかを示してくれます。翻訳も丁寧で、みすず書房の良心的な仕事ぶりが伝わってきます。 確かに論が複雑で、何度も読み返す箇所があります。しかし、それだけの努力を払う価値がある。人生経験を重ねた今だからこそ、このような思想の深みに安心して浸ることができるのだと感じます。ボランティア活動を通じて人間関係に向き合う日々の中で、人間の根本的なあり方について考えるうえで、この書は羅針盤になると確信しています。

感想

哲学書としての完成度の高さに、思わず息をのみました。メルロ=ポンティの『知覚の現象学』は、私たちが当たり前だと思っている「世界の見え方」を根本から問い直す力を持っています。 新社会人として働き始めた今、日々の業務の中で無意識に行っている判断や知覚がいかに複雑で豊かなプロセスであるかに気づかされました。本書を読むことで、単なる主観と客観の二項対立ではなく、身体を通じた世界との相互関係という見方が開けてきます。 訳文も丁寧で、難しいテーマながら段階的に理解を深めていくことができました。古典的な著作ながら、現代の私たちが抱える問題——特にAIやデジタル化の時代に「人間的な認識とは何か」を考える際にも、極めて示唆的です。 腰を据えて読む必要がある分厚い一冊ですが、その分だけ知的な満足感が深い。思考の解像度を上げたい方には、本当にお勧めできる傑作です。

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