みっちゃんの本棚
自治体は何のためにあるのか

自治体は何のためにあるのか

今井 照 岩波書店 2025年12月23日

感想

地方自治体の役割についてここまで本質的に問い直す書籍に出会えるのは稀です。 会社員として日々の業務に追われている身からすると、「地方創生」や「稼ぐ」といった言葉は、メディアで頻繁に目にするものでした。しかし本書を読むと、これらのスローガンの背後にある問題構造が鮮明に浮かび上がります。コンサル会社による行政の侵食、国からの新たな統制という指摘は、目からウロコです。 著者は単に現状を批判するのではなく、自治体が本来何のために存在するのかという根本的な問いに立ち返ります。人口減少やデジタル化という社会の転換期だからこそ、市民一人ひとりが自治体と向き合う必要があるという主張に、強く納得させられました。 新書というコンパクトなフォーマットながら、議論は深く、骨太です。市民として、また納税者として、自分たちの地域の未来にどう関わっていくべきか、改めて考える機会をくれる一冊。地方にお住まいの方はもちろん、都市部にいる方にこそ読んでいただきたい良書です。

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