はじめて学ぶ社会心理学

はじめて学ぶ社会心理学

大宮録郎

出版社:大日本図書 出版年月日:1983/01/01

大日本図書 | 1983/01/01

4.67
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

新書というフォーマットを侮るなかれ。本書は限られたページ数の中で、社会心理学の本質をみごとに捉えている。 長年自営業を営む中で、人間関係や集団心理についての疑問が常々あった。顧客対応にせよ従業員との信頼関係にせよ、人間の行動には必ず心理的なメカニズムが働いている。本書はそうした現象を科学的に解き明かしてくれる。 執筆者の説明は明晰で、難解になりがちな社会心理学の理論を、日常的な事例を交えながら丁寧に展開している。認知バイアスや集団圧力、印象形成といった概念も、自身の実務経験と照らし合わせると深く腑に落ちた。 やや基礎的な内容に徹しているため、この分野の入門書としては最適だが、既に相応の知識を持つ読者には物足りなさがあるかもしれない。ただし、筆者の視点は均衡が取れており、一方的な議論に陥らない誠実さが感じられる。 知識の補強と視座の拡張という意味で、十分価値のある一冊である。

感想

仕事での人間関係に行き詰まっていた時期に、この本に出会いました。社会心理学という学問がこんなにも実践的で、かつ読みやすいものだとは予想外でした。 著者は複雑な人間行動を、丁寧に、しかし決して難解にならない言葉で解き明かしています。集団心理、対人認知、説得のメカニズムなど、日常的に経験しながらも言語化できなかった現象が、科学的根拠とともに理解できるようになりました。 特に印象的だったのは、自分の行動パターンを客観的に見つめ直すことができたという点です。職場での判断や人間関係のもつれが、実は心理学的に説明可能なものだったと気づくと、対人ストレスが軽くなりました。新書というコンパクトなフォーマットながら、内容の密度は非常に高く、読み応えたっぷりです。 これまで読んだ人文書の中でも、学術性と実用性のバランスがここまで優れた一冊は珍しい。多くの会社員に、特に人間関係で悩んでいる方に強くお勧めしたいです。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ