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はじめて学ぶ社会心理学

はじめて学ぶ社会心理学

大宮録郎 大日本図書 1983年1月1日

感想

新書というフォーマットを侮るなかれ。本書は限られたページ数の中で、社会心理学の本質をみごとに捉えている。 長年自営業を営む中で、人間関係や集団心理についての疑問が常々あった。顧客対応にせよ従業員との信頼関係にせよ、人間の行動には必ず心理的なメカニズムが働いている。本書はそうした現象を科学的に解き明かしてくれる。 執筆者の説明は明晰で、難解になりがちな社会心理学の理論を、日常的な事例を交えながら丁寧に展開している。認知バイアスや集団圧力、印象形成といった概念も、自身の実務経験と照らし合わせると深く腑に落ちた。 やや基礎的な内容に徹しているため、この分野の入門書としては最適だが、既に相応の知識を持つ読者には物足りなさがあるかもしれない。ただし、筆者の視点は均衡が取れており、一方的な議論に陥らない誠実さが感じられる。 知識の補強と視座の拡張という意味で、十分価値のある一冊である。