和也の本棚
警視庁監察官Q クリムゾンライン

警視庁監察官Q クリムゾンライン

鈴峯紅也 朝日新聞出版 2026年2月6日

感想

警察組織の内部抗争を描いたミステリーとしては、かなりのクオリティだ。加賀美晴子が女性初の警視長に昇任するというキャリア的な転機から始まる物語だが、その直後に降りかかる謎めいた襲撃事件。管理職として組織内の権力関係を見てきた身としては、このドロドロとした人間関係の描き方がリアルで面白い。 監察官・小田垣観月の調査が進むにつれて、情報が食い違っていく緊迫感、そして関口貫太郎の過去が絡み合っていく構成は秀逸だ。複数の登場人物の視点が交差し、一見バラバラに見える事件の断片がつながっていく快感は、本シリーズの持ち味なのだろう。 ただ、終盤の真犯人に至るまでの道筋がやや複雑で、二度目の読み返しが必要になるほど。それでも、仕事の合間に少しずつ読み進める気軽さと、引き込まれるストーリーのバランスが良く、十分楽しめた。シリーズをもう一冊手に取ってみたい気分だ。

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