和也の本棚
感想

ゲーム版のサイレントヒルfが話題になっていたので、この小説化版を手に取ってみました。正直、ゲームの映像化作品はあたり外れが大きいのですが、これは本当に傑作だと思います。 田舎町という舞台設定がまず絶妙で、閉塞感と日常のリアリティが見事に共存しています。主人公・深水雛子の心理描写は、同じ年代の息子を持つ身として非常に説得力がありました。思春期特有の行き場のない気持ち、大人とのズレ、そして世界への違和感ーーそうした心情が丁寧に積み重ねられていくんです。 ホラーとして怖さも確かですが、それだけじゃなく人間関係や心理の不気味さが前面に出ているのが秀逸。化け物が現れてからの緊張感も見事ですが、その前の日常パートの静寂が効いている。管理職として部下の心情を読むことが多い身には、登場人物たちの心理の微妙な揺らぎがすごく響きました。 ページをめくる手が止まりません。久しぶりに一気読みしてしまいました。仕事の疲れを忘れさせてくれるような、そして読み終わった後も余韻が残る傑作です。

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