和也の本棚
負け犬の遠吠え

負け犬の遠吠え

酒井 順子 講談社 2006年10月13日

感想

数年前に話題になった本だが、文庫化を機に手に取ってみた。読んでみると、当時の論争がなぜ起きたのか納得できる。著者の視点は確かに刺激的だし、ユーモアを交えながらも社会への問題提起は本気だ。 仕事で部下の人生相談に乗ることもある身としては、この本の指摘する「結婚・出産がステータスという価値観」は、実は今でも多くの職場に残っているなと感じる。特に女性社員が出産を控えると、周囲の反応がどう変わるか。そうした現実を著者は鋭く切り取っている。 もちろん、著者の論理展開や定義すべてに同意するわけではない。ただ、多様な人生設計が尊重されるべき社会へのメッセージとしては、十分価値がある。文庫版に収録されたオス負け犬との座談会も興味深く、視点の広がりを感じた。 気軽に読めながら、読み終わった後に考えさせられる。そういう意味で、このクラスのエッセイはいい。週末の夜更かしで一気読みするのに最適だった。

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