阿部の本棚
感想

『資本論』第3巻に手を伸ばしたのは、経済学の基礎を理解したいという新社会人としての問題意識からでした。ただ、実際に読み進めてみると、期待と現実にいくぶんズレを感じています。 マルクスの思考の壮大さは相変わらず感じられます。特に利潤率の傾向的低下論など、資本主義の内部矛盾に関する議論は知的刺激に満ちています。しかし第3巻に至ると、抽象的な経済カテゴリーの議論が非常に複雑化しており、具体例が限定的なため、現代の経済現象との接続がやや曖昧に映ります。 新日本出版社の版もそこまで読みやすい工夫があるわけではなく、やはり相応の予備知識が必要です。仕事を始めて時間が限られている身としては、もう少し洞察を整理した二次的な解説書を先に読むべきだったと感じています。 理論的な重要性は認めつつも、個人的な学習効果という点では、もう一工夫ほしかったというのが率直な感想です。