読書日和の本棚
感想

『カケラ』は思った以上に重い話だった。美容クリニックの医師が、昔の同級生の悲劇を追っていくミステリーなんだけど、表面的には「ダイエット」「外見」という軽そうなテーマなのに、読み進めるにつれて深い暗さに引き込まれていく。 特に印象的だったのは、誰もが「正解」だと思ってる事柄が、実はその人にとっては地獄になり得るってところ。母親のドーナツ、運動神経、学校……どれもが普通は良いことなのに、それが全部その少女を追い詰める要因になってる。怖いよ、正直に言うと。 話自体は複雑で、何度か読み返しながら理解するところがあったんだけど、だからこそ余計に考えさせられた。医師の視点から固定観念をほぐしていく流れも上手だし、伏線の張り方も巧妙。軽い読み物を求めてたら拍子抜けするかもしれないけど、ちょっと思考的な読書がしたい時にはいいと思う。湊かな作品の中でも指折りの傑作だね。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ