本大好きおじさんの本棚
ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

森見 登美彦 KADOKAWA 2012年11月1日

感想

仕事の疲れが溜まっていた時に、何気なく手に取った一冊でした。小学4年生の男の子の視点で綴られるこのお話、最初は「ペンギン?」と戸惑ったんですが、ページをめくるたびに引き込まれていきました。 郊外の町に突然現れるペンギンという、あり得ない出来事が起きているのに、主人公の少年が「これを理解したい、謎を解きたい」という純粋な探究心で向き合う姿勢が本当に素敵です。日々の業務で患者さんの症状や数字ばかり見つめている私にとって、こういう無垢な好奇心を思い出させてくれるような作品って珍しいんです。 歯科医院のお姉さんとの関係性も、微妙な温かさがあって心地よい。そして全体を通じて漂う、世界への驚きや発見への喜びというものが、大人が忘れてしまったものを思い出させてくれます。 小難しくなく、でもちゃんと味わい深い。休日にのんびり読むのに最適です。医療職だからこそ、こういう「謎と向き合う」というシンプルな楽しみがいかに大切かが分かりました。