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霊獣紀 鳳麟の書(上)

霊獣紀 鳳麟の書(上)

篠原 悠希 講談社 2026年3月13日

感想

「金椛国春秋」シリーズの作者による新作ということで、期待を持ちながら手に取りました。五胡十六国時代という歴史背景とファンタジー要素の融合は、最初の段階ではどう機能するのか不安でしたが、その杞憂は見事に払拭されました。 北魏の統一という歴史的転換点に、仙界というもう一つの世界軸を組み込む設定の緻密さに驚きます。エンジニアとして複雑なシステム設計に関わることが多いからか、このような多層的な世界観の構築には特に目を惹かれます。登場人物たちの思惑が絡み合い、歴史と幻想の間で展開する物語は、読ませる力があります。 ただし、上巻という制限もあり、物語がまだ序盤に過ぎない感も否めません。複雑な設定が活きてくるのは下巻以降かもしれません。それでも現時点で世界観に引き込まれ、続きが気になる完成度には満足です。丁寧に構築された異世界ファンタジーを求めている方には、慎重に勧められる一冊です。

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