はるとの本棚
感想

エンジニアとしてキャリアを重ねるなかで、技術的なスキルだけでは限界を感じることが増えてきた。そんなときに本書に出会った。ドラッカーの経営学を一冊に凝縮したという触れ込みに、正直なところ「古典をコンパクトにしただけでは?」という疑念を抱いていたが、読み進めるにつれてその懸念は払拭された。 本書の強みは、なぜ組織や個人が「基本」を守る必要があるのか、その本質を丁寧に説いている点だ。変化の激しいIT業界にいると、新しい技術や手法ばかりに目が向きがちだが、本書を読むと揺るがない原則の重要性があらためて理解できる。特に、マネジメントにおける役割と責任の定義は、チーム開発を進める立場として実践的だった。 ただし、経営学の教科書として読むには、やや抽象度が高い章も存在する。自分のような現場寄りのエンジニアが最大の効果を得るには、具体的な業務に落とし込む工夫が必要になるだろう。それでも、プロフェッショナルとしての在り方を問い直す価値は十分にある。迷ったときの指針になる一冊だ。

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