感想
SNSで話題になっていたので、ついつい手に取ってしまいました。ベルリンの弁護士が扱った九つの事件を描いた連作短編集ということで、かなり期待値が高かったんですよね。 実際に読んでみると、確かにミステリ部分はしっかり構成されていて、謎解きとしての完成度は高いです。各編を読み進める面白さもある。ただ、個人的には「凄い!」という驚きまでは至らなかったというのが正直なところ。 事件の真相が明かされた後の「真の物語」というコンセプトは魅力的なんですが、それが毎回活きてくるわけではなく、やや期待値とのズレを感じました。自営業で忙しい日常の中で読み進める分には十分なエンタメ性はありますし、構成も巧い。ただし、話題作だからこそ、もう少し破格の面白さを期待してしまったのかもしれません。 良質なミステリではあるけれど、万人が絶賛する理由はやや掴みきれず。これはあくまで個人の感覚なので、好みが合えば大いに楽しめる一冊だと思います。