オーデュボンの祈り
新潮社 | 2003/12/01
みんなの感想
コンビに強盗に失敗して逃げていた伊藤は目覚めると 不思議な島にいた。 その島には人間の言葉をしゃべり未来を予測することが できるカカシ優午)がいた。 そんな馬鹿な話と思いつつ、伊藤はカカシの優午と語り合う。 そして伊藤が話をした翌日優午が殺された。 優午を殺したのは誰? 未来が予測できるカカシがどうして自分の死は予測できなかったのか? 優午が言った「島にかけているもの」とは何? あまりにも突拍子もない設定自体に驚かされる 私、ついていけるのだろうか、この展開に… と、少々不安になったのだけれど なんとか最後まで読破することができました。 とても不思議で非現実的な世界なんだけれど なんとなくリアルであることに驚く。 ミステリーなのか?ファンタジーなのか? それにしても城山は冷酷非道だ!
話題になっていたので気になって手に取った一冊です。最初は奇想天外なストーリーについていけるか不安でしたが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 コンビニ強盗犯が辿り着いた孤島という設定だけで既に面白いのに、そこに住む人々がみんな個性的で謎めいているんです。嘘しか言わない画家、殺人が許された男、そして未来が見えるというカカシ...こんな登場人物たちが揃ったら、事件が起きるのは必然ですね。 著者の才気が本当に光っていて、会話のやり取りが秀逸です。洒脱でそれでいてどこか不気味な雰囲気を保ちながら、謎解きへと導いていく手腕は見事。江戸時代から外界から遮断されている島という設定も、物語に独特の世界観を与えています。 未来が見えるはずのカカシが殺されるという矛盾、その理由が明かされていく過程はミステリーとしても秀逸です。デビュー作とは思えないほどの完成度に、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した理由もよく分かります。不思議で、ちょっと怖くて、でも目が離せない。そんな魅力的な一冊でした。
SNSで話題になっていたので手に取ってみたんですが、これは本当に傑作ですね。デビュー作とは思えないほどの完成度の高さに驚きました。 コンビニ強盗犯が謎の島に迷い込むというオチからして秀逸なのに、そこからが本当に面白い。島に暮らす妙な登場人物たちのキャラクターの濃さといったら!嘘しか言わない画家、殺人を許された男、そして未来が見えるというカカシ——このユニークな設定だけで十分に目を引くのに、著者の会話の冴え渡り具合とウィットに満ちた警句の数々に、読んでいて何度も唸らされます。 ミステリーとしての謎解きの部分も見事ですが、何より私が惹かれたのは、この物語が持つ不穏な空気感と知的なユーモアのバランスです。緊張感とクスッと笑える瞬間が絶妙に織り交ぜられていて、ページをめくる手が止まりませんでした。 自営業で忙しいときは短編を読むことが多いんですが、これなら長編の面白さも十分に堪能できます。現代文学の話題作として絶対チェックすべき一冊です。
仕事の疲労でミステリ小説を求めていた時期に、このデビュー作の評判を見かけて手に取りました。正直なところ、島という舞台設定だけでは地味に思えていたのですが、読み始めると一気に引き込まれてしまいました。 著者の才能は本当に卓越しています。嘘しか言わない画家、殺人を許された男、未来を見通せるカカシ——こうした奇想天外なキャラクターたちが、単なる設定の遊びではなく、ミステリの本質に関わってくるんです。会話のやり取りは洒脱で、何度も読みながら笑ってしまいました。 ページを進めるにつれ、物語は次々と層を重ね、一体どこまでが真実なのか、謎を謎で覆い隠していく仕掛けが素晴らしい。慎重に選ぶ方なので、最初は戸惑いもありましたが、その複雑さが最終的には完璧に報われる構成になっています。デビュー作とは思えない完成度で、ミステリとしても小説としても一流。今、これ以上の傑作に出会う可能性は低いのではないかと思うほどです。
伊藤がコンビニ強盗後、見知らぬ島に迷い込むという設定だけで既に惹きつけられました。江戸以来孤立した島という舞台設定も興味深く、どうしても読み進めたくなりました。 実際に読んでみると、期待以上に面白かったです。登場人物たちが皆、何か一つ大きな秘密を抱えているような緊張感があって、ミステリーとしての構成もよく考えられています。カカシという存在がこの作品の鍵になっているのですが、その設定の使い方が秀逸でした。 作者の才能がはっきり感じられる作品です。会話の洒脱さと描写の力強さが印象的。エンジニアとして論理的に考えるクセのある私でも、この物語の世界観に引き込まれました。ただ、終盤の真相に至る部分は少し複雑で、丁寧に読まないと見落とすかもしれません。 デビュー作とは思えないほどの完成度。現代ミステリーの傑作と呼ぶにふさわしい一冊だと思います。小説好きな方には強くお勧めできます。