智子の本棚
夜明けのすべて

夜明けのすべて

瀬尾 まいこ 水鈴社 2020年10月22日

感想

SNSで話題になっていたので、どんな作品なのか気になって手に取りました。予想を大きく上回る深さと優しさに満ちた一冊です。 PMS と パニック障害という、それぞれが抱える見えない苦しさを丁寧に描きながらも、決して重くなりすぎていない。むしろ二人のやり取りにはユーモアがあって、読んでいて思わず笑ってしまう場面も多い。自営業で日々のストレスと付き合っている身としては、特に月経周期で変わる心身の状態をここまでリアルに表現してくれている作品って珍しくて、すごく共感できました。 何より素敵なのは、二人が「相手を治す」のではなく、「一緒にいることで少しずつ楽になっていく」その過程です。完璧な解決策なんて存在しない、でも誰かの存在が救いになるーーそういう人間らしい温かさが心に残ります。 今の世の中、生きづらさを感じている人は多いと思うんですけど、この本はそんな時に「そっか、自分だけじゃないんだ」って思わせてくれる力がある。仕事で疲れた時の読み物として、本当におすすめです。

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