和子の本棚
感想

話題になっていたこの作品、ようやく読み終わりました。『火花』以来10年ぶりという綾野剛の新作ということで、期待値も高かったのですが、期待を大きく上回るできばえです。 500万円の貸金をめぐって展開していく物語なのですが、単なる金銭トラブルの話ではなく、人生とは何か、人間関係とは何かという根本的な問いかけが随所に散りばめられています。主人公・岡田の日常の息苦しさ、そして横井との関係の中で揺らぎ始める価値観。その過程が本当に丁寧に描かれていて、読んでいて思わず考えさせられました。 特に印象的だったのは、「生きるとは、こんなにもやりきれなくて、おかしい」というコピーの通り、人生の理不尽さと同時に、そこにある笑いや温かみを同時に表現している点です。55歳を過ぎた私たちの世代だからこそ、この作品の深さが身に染みて感じられるのかもしれません。人生の後半戦を考えるいい機会をくれた一冊です。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ