直人の本棚
マッチング TRUE LOVE

マッチング TRUE LOVE

内田 英治 KADOKAWA 2026年8月25日

感想

映画化作品ということで、話題になっているうちに読んでおこうと手に取った一冊だ。前作との関連性がある連続殺人ミステリーのようだが、本作だけでも十分楽しめる構成になっている。 孤島を舞台にしたマッチングツアーという設定は、確かに現代的で興味深い。恋人の失踪と事件が絡み合う緊張感も感じられ、序盤は引き込まれるところがある。ただ、読み進めていくと、プロット展開がやや予想範囲内に収まってしまう感覚が拭えなかった。ミステリとしての仕掛けは悪くないが、驚きや深さという点では物足りない。 人間関係の描き方や心理描写も及第点だが、登場人物たちの動機や背景が掘り下げられ不足しているように感じた。映画化を前提とした構成のせいか、活字での表現力が抑え気味なのかもしれない。 話題作をひと通り読みたいという義務感で読む分には悪くないが、文学的な充足感を求める者にとっては、やや物足りない仕上がりといった印象が残った。及第点の娯楽小説として、悪いわけではない一冊だ。

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