極東発 世界大戦2

極東発 世界大戦2

大石英司

出版社:中央公論新社 出版年月日:2026/01/22

中央公論新社 | 2026/01/22

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

最近、新聞の書評欄で話題になっていたので手に取ってみました。竹島をめぐる仮想戦記とのことですが、これがなかなか興味深い。 近年の国際紛争の緊迫感を背景に、現実的で説得力のあるストーリーが展開されます。韓国軍と自衛隊の衝突、そこに介入するロシアの思惑——地政学的な現実感を持ちながらも、小説として読ませる力がありますね。 新書というコンパクトなフォーマットながら、複雑な国際関係を丁寧に描き込んでいるのは好感が持てます。仕事で忙しくても無理なく読める長さでありながら、思考を刺激される。世界情勢に関心のある中年世代こそ読むべき一冊だと感じました。 ただ、登場人物の心理描写をもう少し掘り下げてほしかった部分もあります。戦争という非常時だからこそ、人間の葛藤がより深く浮かび上がるのではないか——そこは少し物足りなく感じました。 いずれにせよ、現在進行形の世界情勢を見つめ直すきっかけとなる、充実した読書体験でした。

感想

地政学的な緊張をテーマにした作品ということで手に取ってみました。竹島をめぐる紛争という現代的なシナリオから始まる物語で、確かに興味をそそられます。 ただ、読み進めてみると、構成の巧みさや深い人物描写といった点で、もう一歩という感じでしょうか。海戦シーンはそれなりに迫力があるんですが、ストーリー全体としては予測可能な展開が多く、「ああ、こうなるんだろうな」という読み心地でした。エンジニアとして複雑なシステムの設計には関わりますが、小説の構成もある種の設計だと思うんです。その観点だと、もう少し意外性や登場人物の動機づけに工夫が欲しかった。 新書というコンパクトなフォーマットということを考えると、限られた紙幅の中での工夫は感じられるのですが、むしろ短編として徹底するか、もっと長編として深掘りするか、どちらかに振り切った方が良かったのではという印象です。気軽に読める一冊として悪くはないんですが、特に記憶に残る瞬間がない、そんな感じですね。

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