直人の本棚
探偵小石は戻らない

探偵小石は戻らない

森 バジル 小学館 2026年9月30日

感想

本屋大賞ノミネート作『探偵小石は恋しない』の続編が出ると知って、すぐに手に取りました。前作の傑作ぶりが忘れられず、期待値も高かったのですが、まさかここまで上回るとは。 このシリーズの真骨頂は、予想を軽々と裏切る構成力にあります。本作では冒頭から「逆転、逆転、また逆転」というキャッチコピー通り、次々と視点が切り替わり、読者の認識が揺さぶられていく。小石と蓮杖の掛け合いの楽しさはそのままに、事件の真実へと迫る過程がこれほどまでに緻密で面白いとは。 58年生きてきた中で、ミステリの傑作にはいくつか出会いましたが、本作はその域に達しています。何より素晴らしいのは、最後のページを閉じた時の満足感。編集者も「事前情報なしで読んでほしい」と書いているのは本当です。私も情報を最小限にして正解でした。 ミステリ好きなら絶対に読むべき一冊。話題性だけでなく、本当に傑作なんです。

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