三浦の本棚
物語要素事典

物語要素事典

神山重彦 国書刊行会 2024年10月29日

感想

仕事の合間に小説や映画を楽しむ身として、この本は本当に重宝しています。 物語の根底に流れる共通パターンを1,135もの要素に整理した事典というコンセプトが、まず秀逸です。「あまのじゃく」から「ウロボロス」まで、一見バラバラに思える物語要素が実は様々な作品に反復されていることに気づかされます。文学、映画、演劇、マンガ、神話と、ジャンルを横断した例示のおかげで、読んでいて新しい発見が次々と生まれます。 実用的な面でも優れています。小説を読む前に関連する要素を調べると、その作品の構造が見えやすくなりますし、創作の参考にもなるでしょう。また、巻末の作品別索引が充実しているため、逆引きもスムーズ。辞書のような使い方から通読まで、柔軟に活用できます。 唯一の懸念は、ボリュームの大きさ。仕事帰りにさっと調べるには重いし、すべてを読破するには相当な時間が必要です。ただし、腰を据えてじっくり取り組む価値は十分にあります。物語好きなら、手元に置いて損のない一冊です。

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