独身獄中記

独身獄中記

絶望ライン工

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2026/01/21

KADOKAWA | 2026/01/21

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

タイトルだけ見たときは、どんな重い話かと身構えてしまったけど、読み始めたら思わず引き込まれた。43歳独身、非正規雇用、婚活失敗という、一歩間違えば悲劇的に聞こえる設定なのに、著者の筆の運び方がとにかく絶妙なんだ。 毎日が「絶望」と言いながらも、工場での仕事の話、柴犬との何気ない時間、一人分の飯を作る日常——こうした場面の描写にいちいち味わい深い諦観とユーモアが漂っている。自分の人生をこんなふうに相対化できるって、すごく大事な能力だと思う。フリーランスの身からすると、「今日も」働いて「今日も」食べる日常の積み重ねの話が、妙にリアルに響いた。 社会的な「失敗」を定義されたとしても、そこにある人生の実感は本物だ。その矛盾や違和感をコミカルに、でも真摯に書き綴った作品。現代の孤立や不安について考えさせられるし、同時にクスッと笑える。気軽に読めるエッセイとしても、人生について考える一冊としても、良くできていると思う。

感想

ダ・ヴィンチWebの連載を読んでいたので、書籍化されたと聞いて手に取った。43歳独身、非正規雇用という著者の人生設定だけ聞くと、ネガティブなタイトル通り暗い内容なのかと思ったが、読んでみると意外とそうじゃない。淡々とした日常の中に、ユーモアと人間らしい思考が散りばめられている。 工場での仕事、一人分の飯、柴犬との生活—これだけ聞くと退屈に思えるかもしれないが、著者がそこから何を感じ、何を考えているのかが丁寧に描かれている。エンジニアの自分も似たような「ルーティンの毎日」を送っているからか、すごく共感できた。完璧な人生じゃなくても、それなりにやっていくことの大事さみたいなものが伝わってくる。 絶望という言葉は使われているけど、読んでいて感じるのはむしろ静かな達観というか、自分の人生と折り合いをつけている感じ。短編的なエッセイの集合だから、仕事の合間にサッと読めるのも良い。気軽に読める割に、妙に心に残る。おすすめです。

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