三浦の本棚
オレたち花のバブル組

オレたち花のバブル組

池井戸 潤 文藝春秋 2010年12月10日

感想

同世代の経営者たちが直面する現実的な課題に惹かれて手に取ったが、予想以上に引き込まれた。バブル世代というキーワードだけで判断するのは危険だと改めて感じさせられる。 本書は単なる金融小説の枠を超えている。銀行内の政治的駆け引き、親族経営の矛盾、出向先でのいじめなど、登場人物たちが直面する問題は、現代日本社会の構造的な闇をえぐり出している。特に金融庁との対立軸は、権力闘争の厳しさをリアルに描写していて、同じサラリーマンとしてやや息苦しさを感じるほどだ。 何より主人公の「絶対に負けられない」という執念が、読み手の心をつかんで離さない。綿密に計算された構成とテンポの良さで、ページをめくる手が止まらない。バブル入社組への言及も興味深く、世代を超えて共感できる要素が随所に散りばめられている。 やや長編ではあるが、慎重派の私でも納得できるクオリティ。現代の組織社会に疲れ気味の方には、特におすすめしたい一冊である。

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