三浦の本棚
感想

YouTubeで話題になっているという話を聞いて、半信半疑で手に取った一冊です。正直なところ、こうした流行りものは内容が伴わないことも多いので、レビューをしっかり確認してから購入したのですが、その判断は正解でした。 本書の魅力は、何といっても「間取りの謎」という日常的でありながら、非常に秀逸な着眼点にあります。普通の一軒家の不自然な設計を丹念に追っていくプロセスが、ミステリーの楽しさを存分に味わわせてくれます。設計士の視点から語られる違和感の積み重ねは、説得力があり、引き込まれます。 ページをめくるたびに「なぜこんな間取りなのか」という疑問が膨らんでいき、その答えに辿り着いた時の納得感は格別です。エッセイ的な淡々とした筆致でありながら、緊張感を失わない構成も見事。会社員としての日々の疲労が吹き飛ぶほどの没入感がありました。 謎解きとしてのカタルシス、そして読み終わった後に一軒家を見る視点が変わる体験。このバランスの良さが、多くの人に支持されている理由がよく分かりました。

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