プリズム×プロジェクト#1

プリズム×プロジェクト#1

高杉 六花 / yui

出版社:ポプラ社 出版年月日:2026/02/18

ポプラ社 | 2026/02/18

4.33
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

正直に言うと、新書というフォーマットでこういった育成型のエンタメ作品が出版されることに最初は違和感を感じました。でも読み始めたら、その先入観は完全に吹き飛びました。 主人公・音羽みおんのキャラクター造形が秀逸です。ポジティブで貧乏という設定だけでなく、親に勝手に応募されたというユニークなスタートラインが、物語全体に自然な緊張感をもたらしている。そしてサバイバルオーディションという舞台を通じて、彼女が子どもの頃の「夢」と向き合い直していくプロセスが、意外なほど丁寧に描かれています。 20人のキャラクターたちが「七色に光る個性」として機能していて、単なる競争相手ではなく、本気で「ぶつかりあう仲間」として描かれているところが良い。フリーランスとして個人で仕事をしている私だからこそ感じるのですが、自分の道を切り開くときって、多くの場合、こういう本気のぶつかりあいが不可欠なんですよね。 新書とは思えないページを貪るような魅力。年齢を問わず、現在地から一歩踏み出したい人に特におすすめしたい一冊です。

感想

新書とはいえ、少女向けの育成エンタメ小説とは珍しい選択をしてしまった。正直なところ、最初は懐疑的だったのだが、予想以上に良い意味で裏切られた。 本作の魅力は、単なる夢物語に留まらない点にある。主人公・音羽みおんをはじめとする20人のキャラクターたちが、サバイバルオーディションを通じて直面する葛藤や成長が、実に丁寧に描かれている。各メンバーが異なる背景を持ち、それぞれの「輝き」を模索する過程は、年代を問わず共感できる普遍的なテーマだ。 特に印象的だったのは、ポジティブでありながらも現実的な視点を失わないストーリー構成。夢を追う美しさと、そこに至る厳しさのバランスが秀逸だ。フリーランスとして自分自身も「個性」と「実績」の狭間で葛藤することが多いため、キャラクターたちの悪戦苦闘は他人事とは思えなかった。 新書という限られた紙幅の中で、複数のキャラクターの心情を一定の深度で表現できている点は、編集者の手腕も含めて高く評価したい。青年層だけでなく、人生経験を積んだ読者にも読む価値のある作品である。

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