新・浪人若さま 新見左近【二十一】 鬼剣霧斬り
双葉社 | 2026/02/10
みんなの感想
時代小説の長期シリーズということで手に取ってみましたが、正直なところ期待値と現実のギャップに戸惑いました。 二十一弾目ということで、シリーズ内では相当進んだ展開なのだと思います。ですが新規読者の自分にとっては、登場人物の背景や関係性が咀嚼しきれず、アクションシーンの興奮度が減ってしまいました。鬼面の剣士が現れて十剣士が襲われるというシンプルな事件設定は悪くないんですが、そこに至るまでの説明が冗長に感じられて、テンポが悪い。 エンジニアの仕事で日々効率を考えているからかもしれませんが、もう少し無駄を削ぎ落とした構成だったら読みやすかったと思います。キャラクター同士の絡みや秘剣の秘密を明かす場面は確かに工夫されているのですが、全体的には盛り上がりに欠ける印象。 シリーズファンなら楽しめる一冊かもしれませんが、単体では入り込みにくいですね。気軽に時代冒険活劇を読みたい時には、別の作品を選んだ方が無難かもしれません。
時代小説の新刊情報をいつもチェックしているのですが、この新見左近シリーズはもう21巻とはびっくりです。長く続いているだけあって、安定した面白さが約束されているんですね。 今回も期待通りの充実した一冊でした。江戸の町で暗躍する謎の剣客の正体を巡るストーリーは、適度な緊張感を保ちながら進んでいきます。親友との絆や師匠との関係性など、人間関係の描き方が丁寧で、ただのアクション小説ではない深みが感じられます。 特に良かったのは、秘剣の背景にある歴史や人物の過去が明かされていく過程。単純な勧善懲悪ではなく、事件の奥に隠された複雑な事情があるところが、大人の読者としては引き込まれます。 繰り返し読みたくなるような工夫も随所にあり、このシリーズが長く愛されている理由がよく分かります。話題作には欠かさず目を通すようにしていますが、このように長く続く作品だからこそ、一巻を読む価値は大きいと感じます。次の巻も楽しみです。
時代冒険小説の面白さって本当に奥深いなと改めて感じさせてくれた一冊です。江戸市中の十剣士を狙う謎の剣士・鬼剣霧斬りの正体に迫るストーリーは、中盤までの犯人像の予想を次々と裏切ってくれます。 新見左近と岩城泰徳の二人の関係性や、思わぬ来訪者による真犯人の正体・秘剣の秘密の明かされ方は本当に秀逸で、そこまでの伏線の張り方が実に計算されていると感じました。個人的には、相手に刃を交える間も与えずに斬り殺すという凄腕の剣技の描写が非常に迫力があって、戦闘シーンの緊迫感にぐいぐい引き込まれました。 シリーズ21弾ということで長く続いている作品なのですが、この巻は独立した話として単体でも十分に楽しめるバランスの良さが嬉しい。ただ、登場人物が多めなので、できれば過去巻をいくつか読んでからのほうがより深く味わえるかもしれません。時代ファンタジー好きなら確実に満足できる良作だと思います。